あなたは上司に、嫌われたから、
会社を辞めなければならない、と悩んでいませんか。
例えば、
先日、上司から、「黙って、言うことを聞け！」と言われてしまった。
つまり自分は上司から「言うことを聞かない奴」と嫌われてしまった。
このまま会社に居続けても、もう二度と日の目を見ない。
本当は辞めたくないけど、
辞めなければいけないのかなぁ･･･。と思いますよね。
でも、安心してください。
あなたがそう思うには、そう思う理由があり、 その理由がわかれば、解決の方向性が見えてきます。
なぜ、私がそんなことが言えるのか、というと、 実は私も同じような経験をしたことがあるからです。
そして、私は、自分でそれを克服できたばかりか、
更に強いプレッシャーがかかっても、 もう、その悩みが再発しなくなったからです。
では、この心理状態を具体的に紐解いてみましょう。
上司に嫌われたので、辞めなければならない、と思う理由
今、あなたが、 上司から嫌われたので、
会社を辞めなければならない、と思っているのは、
あなたにとっては大変なことで、それに対して頭がグルグルしていると思います。
これを、認知科学・心理学的に、整理してみましょう。
認知科学・心理学的な整理
まず、認知科学的には、 自分が今、気にしていること（アンテナが立っていること）に関して、
特にクローズアップされて感じてしまう ということがベースにあります。
そして、あなたの頭の中は次のような状態であると整理できます。
- 会社において、上司に嫌われてはいけない、と思っている
- 一方で、今の上司と意見が合わないため、いつも意見が対立してしまっている
- 本音では、この上司には従いたくない、と思っていた
- とは言え、自分なりには、ソツなく上手くやってきたつもりだった
- しかし、ある時、上司から「人の言うことを聞け！」と言われてしまった
- 自分ではソツなくやってきたつもりだったのに、バレてしまったばかりか、嫌われてしまった
- こんなブザマな状態があからさまになったのに、このままこの上司の下で働くのはつらい
- 更に、このままでは、評価が下がってしまい、居続ける意味を見出せない
- やっぱり、上司に嫌われたから、会社を辞めなければ、と思うようになった
このことを整理すると、
もともと嫌いだった上司から 実際に嫌われてしまったので、
嫌われたことを理由に、 会社を辞めなければならない、
と思うようになったのです。
本当は、 嫌いな人 に向き合わなければならない、のですが、
これを 嫌われたこと に向き合わなければならない、に置き換え、
嫌われたのだから、辞めれば向き合わなくて済む として、
向き合わなくても良いことを正当化しているのです。
つまり、 「嫌いな人」に向き合いたくないために、
嫌われたことを理由に「会社を辞める」ことで、
「嫌いな人」と向き合わなくて済むようにするだけでなく、
会社を辞めることを正当化している、 とも言えます。
また、 上司から嫌われたので、会社を辞めなければならない、
と、ある意味、被害者のように振る舞っていますが、
本当は 痛いところを突かれて恥ずかしいので、
何とか正当な言い訳をつけて会社を辞めようとしている とも言えます。
このように、これらは、 あくまでも後付けの理論（要は言い訳）なので、
客観的に見ればわかるように、かなり論理が飛躍しています。
ですが、
自分では、何とか結びつけ（正当化し）ようとしているので、
頭の中がグルグルしてしまっているのです。
悩みを解決する方向性は
では、この悩みを解決するには、どうすれば良いのでしょうか。
それは、「嫌われたこと」と向き合うことです。
そして、この向き合う方法には、
頭だけで何とかしようとするIQ的解決方法と、
本心を踏まえたEQ的解決方法の2つがあります。
IQ的解決方法
IQ的、すなわち頭だけで解決しようとするには、
「嫌われたことを克服する」
言い換えれば、
「上司に嫌われないようにする」
つまり、上司が言うことは全て真に受け、 そのままの指示に従う。
場合によっては、ヨイショをすることもあるかも知れません。
表現を変えれば、自分を押し殺して、 相手に合わせて生きていく、
という方法です。
そうだ！ この正論で行けば何とかなる！と思って
行動に移せるなら、行動に移しましょう。
しかし、本当の所、 今のままでは何もできないでしょう。
というのも、
普段から上司に嫌われないように生きてきたあなたは、
もう既に、その努力はしてきているはずです。
今回、それが上手くいかなくなったから、危機感が高まり、
急いで何とかしなければ、と思う気持ちは判りますが、
今まで出来なかったことが、 今回、急にできるようにはなれないものです。
たぶん、悩みというのは、
「頭(IQ)では判っているけど、行動に移せない」 というのが殆どで、
頭で判って、直ぐに行動できるぐらいなら、
悩みなんて発生していませんよね。
一方、EQ的解決方法というものがあります。 それについて説明しましょう。
EQ的解決方法
EQ 的、すなわち、本音に沿って解決する方法は、
「上司に嫌われていることを認める」 ということから始めます。
もともと、自分は上司のことを嫌いなのだから、
上司に嫌われていたって平気、と思っているかも知れませんよね。
だとすると、 あなたが今、会社を辞めたいと思っているのは、
本当に上司に嫌われたからでしょうか。
実は、自分は「嫌いな上司とでも（ソツなく）上手くやれている」
と思っていたのに、
それが「見破られた」「見透かされた」ことが 恥ずかしいからではありませんか。
つまり、自分の本心がバレてしまったことが恥ずかしく、
その場に居続けることにいたたまれなくなったために、辞めたくなった、
ということではないでしょうか。
だとすると、 今回は、嫌いな（合わない）上司に「取り繕ってきた」ものの、
実はバレてしまった、ことに、どう対処するのか、
ということに捉え直すことができます。
例えば、ハゲで、かつらをかぶっていた人がいたとして、
今回、かつらがバレてしまったとします。
そんな人に、あなたなら、何と声を掛けてあげますか。
うーん。 別に、取り繕わなくて良いんじゃない？
ですよね。
そして、特にハゲを意識しないで、
普通の言動をしてくれれば、 周囲は全く気にならない、
ということです。
つまり、上司が嫌い（合わない）として、
それを無理に隠したり、合わせようとしないで、
他の人に接するように、普通に接するようにすれば、
上司から嫌われても気にならないし、
ましてや、嫌われたからと言って、
即刻、会社を辞めなければならない、と思い込まなくて済むようになります。
たまたま、 今までフタとしてきた、「嫌いな人」に対する接し方が、
普通の人に対する接し方より、過敏・過剰・過激になってしまったために、
表面化してしまっただけ。
青春時代の恋愛にたとえて言うと、
変に意識してしまっているために、
普通なら、やらない言動を行ってしまったり、
普通なら、気にしない相手の言動に、
極端に反応してしまったりしていると言えます。
そして、次に、検討しなければいけないことは、
上司に嫌われたら、会社を辞めないといけないのか、 ですが、
仮に、まずは、高校などで、好きな人が居て、
その人に告白したら、フラれた、とします。
そうしたら、高校を辞めないといけないですか？
そんなことないですよね。
なので、上司に嫌われたからと言って、
会社を（積極的に）辞める必要なんてないんです。
いや、上司は特別だ、と思うかも知れませんが、
好かれた場合に比べて、印象が悪くなり、
評価は下がる可能性が高くなるかも知れませんが、
別に辞める必要はない、
ということです。
なお、ここでは、
あなたが嫌っているから、嫌われても仕方がない、とか
嫌われたからと言って、辞めなくてもよいと開き直れ、
と言っているのではありません。
あなたは、割と、人の好き嫌いを言っている一方で、
実は、自分が嫌われると気にしてしまっている。
自分にとって臭いものにフタをし続けてきたものの、
たまたまフタが開けられてしまった。
だから、そこから逃げて良い、ということではなく、
フタが開いても、その場に居ても良い、ということです。
いきなり、 何を言っているかわからないかも知れませんが、
見方を変えれば、捉え方が変わる、ということです。
とは言え、捉え方を大きく変えることは、
なかなか難しいのは分かります。
でも、 嫌いな人に好かれるようにしよう、 と、
意気込めば意気込むほど、 行動できないで悩んでいることに比べれば、
嫌いな人から嫌いと言われたけど、 それはそれとして受け止め、
できることから努力すれば良いし、
ましてや、自分から会社を辞める必要はない、と思うことには、
何とか取り組めそうな気がしませんか。
そして、どちらの方法もあなたが選択することができます。
まとめ
上司に嫌われたから、
会社を辞めなければならない！ と、自分で自分を追い込んでいるあなた、
認知科学的には、今のあなたの頭の中が、
そういう風に考えることに極端に偏っているだけで、
これまで説明したように、ちゃんと解決する方法があります。
解決する方法としては、
１．正論(IQ的方法)と
２．本音(EQ的方法)の2つがあり、
どちらを選択することもできます。
とは言え、きっと、自分に厳しかったあなたは、
今まで、正論(IQ的方法)で対処してきたのだと思います。
でも、今のあなたは、
正論(IQ)を採ろうとしても、
実際には心理的なハードルが高すぎてできないので、
（だから悩んでいるので）
もうそろそろ、本音(EQ)でできることから始めてみませんか、
（もう少し楽に生きませんか）
ということで、
上司に嫌われたから会社を辞めなければならない、
という問題に対して、
本音(EQ)で出来る解決策をご紹介をさせていただきました。
解決策が判ったなら、
解決できるように、 一刻も早く行動に移しませんか。
行動に移すあなたを応援します！
