あなたは上司に、バカにされたので、
会社を辞めなければならない、と悩んでいませんか。

例えば、

先日、上司から、
「君はこれまでこんなことも判らないでやってきたのか」と言われてしまった。
そこで、自分なりの解釈を説明したものの、聞く耳を持ってもらえなかった。
挙げ句の果てに「
判らないなら、教えてやるから、次からは判らないことは事前に聞くように」 と
すっかりバカにされてしまった。

気づかなかった自分も悪いが、
こちらの言い分も聞かず、その高圧的な言い方はないだろう。

こんな人間性の劣る上司の下では、
今後も仕事を良い方向に持っていけないし、自分も成長できない。

だったら、会社を辞めて、
もっと自分を活かせる所に転職した方が良いのか、
悩むようになってしまった。

確かに悩ましいですよね。

でも、安心してください。
あなたがそう思うには、そう思う理由があり、 その理由がわかれば、解決の方向性が見えてきます。

なぜ、私がそんなことが言えるのか、というと、 実は私も同じような経験をしたことがあるからです。
そして、私は、自分でそれを克服できたばかりか、
更に強いプレッシャーがかかっても、 もう、その悩みが再発しなくなったからです。
では、この心理状態を具体的に紐解いてみましょう。

上司にバカにされたので、辞めなければならない、と思う理由

今、あなたが、 上司からバカにされたので、
会社を辞めなければならない、と思っているのは、
あなたにとっては大変なことで、それに対して頭がグルグルしていると思います。

これを、認知科学・心理学的に、整理してみましょう。

認知科学・心理学的な整理

まず、認知科学的には、 自分が今、気にしていること(アンテナが立っていること)に関して、
特にクローズアップされて感じてしまう ということがベースにあります。

そして、あなたの頭の中は次のような状態であると整理できます。

  1. 実は、普段から、上司より自分の方が優れている、と思っている
  2. だから、自分なりの仕事のやり方をやってきた
  3. 今回も、自分なりの仕事のやり方をやった
  4. しかし、上司はずっとそれが気に入らなかったようで、今後は上司の示す方法でやるように指示されてしまった
  5. 自分なりの考えを説明したが、聞き入れてもらえなかったことが悔しい
  6. こんな部下の話を聞かない心の狭い上司の下では、仕事は広がらないし、成果も少ない
  7. こんな自分より劣る上司の下で働くのはつらい
  8. 上司を追い出しても良いが、それは大変なので、自分が辞めた方が手っ取り早い
  9. かと言って、自分が辞めるには、犠牲が大きすぎるし、この人に振り回されるのはバカバカしい

自宅で悩んでいる

このことを整理すると、
もともとバカ扱いをしていた上司から 逆にバカ扱いされてしまったので、
バカ扱いされたことを理由に、 会社を辞めた方がよい、
と思うようになったのです。

本当は、 自分よりバカな上司 に向き合わなければならない、のですが、
これを バカにされたこと に向き合わなければならない、に置き換え、

バカにされたのだから、辞めれば向き合わなくて済む として、
向き合わなくても良いことを正当化しているのです。

つまり、 「バカな上司」に向き合いたくないために、
バカにされたことを理由に「会社を辞める」ことで、
「バカな上司」と向き合わなくて済むようにするだけでなく、
会社を辞めることを正当化している、 とも言えます。

また、 上司からバカにされたので、会社を辞めなければならない、
と、ある意味、被害者のように振る舞っていますが、
本当は 痛いところを突かれて恥ずかしいので、
何とか正当な言い訳をつけて会社を辞めようとしている とも言えます。

このように、これらは、 あくまでも後付けの理論(要は言い訳)なので、
客観的に見ればわかるように、かなり論理が飛躍しています。

ですが、

自分では、何とか結びつけ(正当化し)ようとしているので、
頭の中がグルグルしてしまっているのです。

ビジネスマンが悩んでいる

悩みを解決する方向性は

では、この悩みを解決するには、どうすれば良いのでしょうか。

それは、「バカにされたこと」と向き合うことです。

そして、この向き合う方法には、
頭だけで何とかしようとするIQ的解決方法と、
本心を踏まえたEQ的解決方法の2つがあります。

IQ的解決方法

IQ的、すなわち頭だけで解決しようとするには、
「バカにされたことを克服する」
言い換えれば、
(自分がバカにしている人から)
「バカにされないようにする」
ということです。

もっと頑張って、自分の意見が正しいことを証明し、
いつかはギャフンと言わせる、という方法です。

つまり、もっともっと精神的に強くなる、
仮に、バカにされても、それをバネにして、
もっともっと頑張る、ということになります。

そうだ! この正論で行けば何とかなる!と思って
行動に移せるなら、行動に移しましょう。

しかし、本当の所、 今のままでは何もできないでしょう。
というのも、
普段からバカな上司からバカにされることが嫌いなあなたは、
もう既に、その努力はしてきているはずです。

今回、それが上手くいかなくなったから、危機感が高まり、
急いで何とかしなければ、と思う気持ちは判りますが、
今まで出来なかったことが、 今回、急にできるようにはなれないものです。

たぶん、悩みというのは、
「頭(IQ)では判っているけど、行動に移せない」 というのが殆どで、
頭で判って、直ぐに行動できるぐらいなら、 悩みなんて発生していませんよね。

一方、EQ的解決方法というものがあります。 それについて説明しましょう。

EQ的解決方法

EQ 的、すなわち、本音に沿って解決する方法は、
「バカにされたことを認める」
言い換えれば、誰に言われたのかは関係なく、
「今の状態を(素直に)認める」
ということから始めます。

一体何を言っているのか、判らないかも知れませんが、
バカに言われたのか、バカじゃない人に言われたのかは、気にせず、
「別の方法を指示された」のだから、
それだけを素直に受け止める、ということです。

まずは、バカな人に言われたのか、
バカじゃない人に言われたのか、が引っかかるのですが、
バカな人か、バカじゃない人か、という判断基準は、
あなたが勝手に持っている/思っているだけなのです。

なので、言われたことは一つなので、
それを受け入れるかどうかなのですが、

実は、 バカな(尊敬できない)人から言われたことは、
バカにされたと思い込み、拒否しようとする 一方で、
バカでない(尊敬する)人から言われたことは、
バカにされたとは思わず、
受け入れようとする ということをしているのです。

言い方を変えると、 バカな(尊敬できない)人からは、何を言われても拒否するし、
バカでない(尊敬できる)人からは、同じことを言われても、
「そういう考えもあるかも」と 受け入れるということです。

このように、自分ではバカにされている/されていない、で判断しているつもりでも、
実は、相手がバカ(尊敬できない)/バカでない(尊敬できる)で判断しており、
今回、バカな(尊敬できない)人から言われてしまったために、
「受け入れたくない」と拒んでいるだけなのです。

つまり、上司から否定されたことはつらいかも知れませんが、
バカな(尊敬できない)人から言われたために、
それを受け入れられない自分が恥ずかしく、
その場に居続けることにいたたまれなくなったために、辞めたくなった、
ということではないでしょうか。

今まで、周囲に、
「意地を張ったために、上げた拳が下ろせない状況」
になった人を見たことはありませんか。

そんな人に、あなたなら、何と声を掛けてあげますか。

うーん。
別に、意地を張らなくて良いから、素直になろうよ。 ですよね。

そして、特に意地を張らないで、 普通の言動をしてくれれば、
周囲は全く気にならない、ということです。

つまり、上司がバカ(尊重できない)のだから、
上司の意見に抵抗する(自分のやり方でやる)、 ということを止め、
他の人に接するように、普通に接するようにすれば、
仮に、あなたのやり方が否定されても、 必要以上の拒絶をしたり、
ましてや バカにされるくらいなら、会社を辞めたほうがまし、などと
思い込まなくて済むようになります。

たまたま、 今までフタとしてきた、「バカな上司」に対する接し方が、
普通の上司に対する接し方より、過敏・過剰・過激になってしまったために、
表面化してしまっただけ。

本当は、バカ/バカでないこととは関係なしに、
組織のためになる/ならない、を判断すれば良いでしょうし、
もっと言えば、組織人なのだから、
上司に従う形で、あなたが自分の意図しないことを実施しても、
周囲は「サラリーマンだから、大変だね」と労ってくれ、
誰も、あなたを非難することはありません。

単に、バカな人からの指示に従いたくない、ということにこだわって、
自分なりのやり方に徹する、と意地を張っているだけなのです。

なお、ここでは、 組織人なのだから、
(倫理的に)間違ってことをやっても良い、とか
何も考えないイエスマンになれ、と開き直れ、
と言っているのではありません。

あなたは、割と、優秀さにこだわっている一方で、 実は、好き嫌いで生きている。
自分にとって臭いものにフタをし続けてきたものの、
たまたまフタが開けられてしまった。

だから、そこから逃げて良い、ということではなく、
フタが開いても、その場に居ても良い、ということです。

いきなり、 何を言っているかわからないかも知れませんが、
見方を変えれば、捉え方が変わる、ということです。

とは言え、捉え方を大きく変えることは、 なかなか難しいのは分かります。

でも、 バカな人から言われた、愚かな指示に従わなければならない、 と、
意気込めば意気込むほど、 行動できないで悩んでいることに比べれば、
自分と異なる意見もあり、 組織人だから、それを受け入れる、
ましてや、自分から会社を辞める必要はない、と思うことには、
何とか取り組めそうな気がしませんか。

そして、どちらの方法もあなたが選択することができます。

道選択

まとめ

上司にバカにされたから、
会社を辞めなければならない! と、自分で自分を追い込んでいるあなた、

認知科学的には、今のあなたの頭の中が、
そういう風に考えることに極端に偏っているだけで、

これまで説明したように、ちゃんと解決する方法があります。

解決する方法としては、
1.正論(IQ的方法)と
2.本音(EQ的方法)の2つがあり、
どちらを選択することもできます。

とは言え、きっと、自分に厳しかったあなたは、
今まで正論(IQ的方法)で対処してきたのだと思います。

でも、今のあなたは、正論(IQ)を採ろうとしても、
実際には心理的なハードルが高すぎてできないので、
(だから悩んでいるので)
もうそろそろ、本音(EQ)でできることから始めてみませんか、
(もう少し楽に生きませんか)

ということで、
上司にバカにされたから会社を辞めなければならない、
という問題に対して、
本音(EQ)で出来る解決策をご紹介をさせていただきました。

 

解決策が判ったなら、
解決できるように、 一刻も早く行動に移しませんか。
行動に移すあなたを応援します!