あなたは、直属の上司との関係が悪いので、
会社を辞めなければならない、と悩んでいませんか。

直属の課長と意見が合わないものの、部長はその状況は判ってくれている。
そこで、課長を飛び越えて部長と話を進めることが多く、
これまでは何とかそれでやってこられた。

しかし、先日、部長から、
「課長とも上手くやってくれよ」と言われてしまった。

今まで、部長は、私の意見を尊重し、
私が提案した方向で進めることに協力してくれていたのだが、
今回は、課長の意向と大きく異なる内容であるために、
部長としても、課長の意見を尊重しないと、
部長と課長との関係が悪くなってしまう、という。

部長とは上手く話ができるのだが、
どうしても、課長とは上手くコミュニケーションがとれない。

この状態が続くようなら、自分は会社を辞めなければならないのか、
悩むようになってしまった。

でも、安心してください。
あなたがそう思うには、そう思う理由があり、 その理由がわかれば、解決の方向性が見えてきます。

なぜ、私がそんなことが言えるのか、というと、 実は私も同じような経験をしたことがあるからです。
そして、私は、自分でそれを克服できたばかりか、
更に強いプレッシャーがかかっても、 もう、その悩みが再発しなくなったからです。
では、この心理状態を具体的に紐解いてみましょう。

直属の上司との関係が悪いので、辞めなければならない、と思う理由

今、あなたが、上司との関係が悪いので、
会社を辞めなければならない、と思っているのは、
あなたにとっては大変なことで、それに対して頭がグルグルしていると思います。

これを、認知科学・心理学的に、整理してみましょう。

認知科学・心理学的な整理

まず、認知科学的には、 自分が今、気にしていること(アンテナが立っていること)に関して、
特にクローズアップされて感じてしまう ということがベースにあります。

そして、あなたの頭の中は次のような状態であると整理できます。

  1. 自分の意見は部長には認められている
  2. 一方、部長は、自分と課長と意見が合わないことは知ってくれている
  3. 今までは、部長の了解を得た上で、課長に話をすることで、仕事を上手く進めていた
  4. 今回は、課長の持論があるようで、部長としては、そちらを採用しない訳にはいかない、と説明された
  5. また、部長としては、課長を飛ばしてOKをすることは、課長を否定していることにつながり、組織運営上、好ましい状態ではない、とも言われた
  6. 部長からは、何とか課長と上手くやってくれないか、と言われてしまった
  7. これ以上、部長に迷惑を掛けてはいけないためにも、自分が会社を辞めるのが良いのだろうか

自宅で悩んでいる

このことを整理すると、
課長を飛び越して 部長と話を進めることが多かったものの、
そのやり方ができなくなるので、
会社を辞めた方がよい、と思うようになった、ということです。

本当は、 「苦手な人」に向き合わなければならない、のですが、
これを 部長に迷惑が掛かる、に置き換え、
部長に迷惑がかかるから、
辞めれば苦手な人と向き合わなくて済む として、
苦手な人と向き合わなくても良いことを正当化しているのです。

つまり、 苦手な人に向き合いたくないために、
好意を寄せている人に迷惑がかかることを理由に「会社を辞める」ことで、
苦手な人と向き合わなくて済むようにするだけでなく、
会社を辞めることを正当化している、 とも言えます。

また、 部長に迷惑がかかるので、会社を辞めなければならない、
と、ある意味、偽善者のように振る舞っていますが、

本当は 痛いところを突かれて恥ずかしいので、
何とか正当な言い訳をつけて会社を辞めようとしている とも言えます。

このように、これらは、
あくまでも後付けの理論(要は言い訳)なので、
客観的に見ればわかるように、かなり論理が飛躍しています。

ですが、自分では、何とか結びつけ(正当化し)ようとしているので、
頭の中がグルグルしてしまっているのです。

ビジネスマンが悩んでいる

悩みを解決する方向性は

では、この悩みを解決するには、どうすれば良いのでしょうか。

それは、「苦手な上司との関係」と向き合うことです。

そして、この向き合う方法には、
頭だけで何とかしようとするIQ的解決方法と、
本心を踏まえたEQ的解決方法の2つがあります。

IQ的解決方法

IQ的、すなわち頭だけで解決しようとするには、
「苦手な上司との関係を克服する」
ということを考えます。

つまり、できるだけ上司の考え方に近づけるようにし、
場合によっては、自分の考えを押し殺す。

表現を変えれば、
自分を押し殺して、 相手に合わせて生きていく、という方法です。

そうだ! この正論で行けば何とかなる!と思って 行動に移せるなら、
行動に移しましょう。

しかし、本当の所、 今のままでは何もできないでしょう。

というのも、
普段から苦手な人とのコミュニケーションが嫌いなあなたは、
もう既に、その努力はしてきているはずです。

今回、それが上手くいかなくなったから、
危機感が高まり、 急いで何とかしなければ、
と思う気持ちは判りますが、

今まで出来なかったことが、
今回、急にできるようにはなれないものです。

たぶん、悩みというのは、
「頭(IQ)では判っているけど、行動に移せない」 というのが殆どで、
頭で判って、直ぐに行動できるぐらいなら、
悩みなんて発生していませんよね。

一方、EQ的解決方法というものがあります。 それについて説明しましょう。

EQ的解決方法

EQ 的、すなわち、本音に沿って解決する方法は、
「上司との関係が苦手なことを認める」ということから始めます。

「苦手なことを認める?!」 そんなこと、判っているよ。
という声が聞こえてきそうですが、 本当に認めていますか。

うーん、表向きには、
「苦手じゃない」「それなりに上手くいっている」と
装っているかも。

そうですよね。

ですから、そういう「装う」ことを止めて、
苦手な人を受け入れてみてはどうでしょうか。

例えば、
あなたにとって「苦手な人」というのは どういう人でしょうか。

自分の考え方と異なる。
自分の意見を通してくれない。
自分の意見を否定する。

そうですよね。

では、 「上司があなたにとって苦手な人」 だとすると、
自分の考えと異なる。
自分の意見を通してくれない。
自分の意見を否定する。

と、されるのだとすれば、
仮に、そのようにされたとしても、
あくまでも「想定内」だと思いませんか。

つまり、
最初からそのような反応があると思えば、
「あーあ、やっぱり」と思うことはあっても、
必要以上に腹が立ったり、不快になったりしないはず。

或いは、

もし、 あなたが普通に接することができる人がいたとして、
あなたの親しい人が、その人のことを「苦手なのだけど」と
相談を持ち掛けられたら、何と言ってあげますか。

うーん。

別に、普通に話をするなら、特に問題はないと思うよ。
だから、変に意識しなくても良いんじゃない?

ですよね。

つまり、否定されることを最初から想定していれば、
否定されても何ともないでしょうし、

仮に強く否定されても、
必要以上に過敏に反応することはなくなると思いませんか。

あー、また否定された。
でも、今回は否定の程度は小さいな。

とか、

今回は強く否定された。
でも、とりあえず、話は前に進んだから、良しとしようか。

など、 必要以上に抵抗することはなくなると思いませんか。

このように捉えられるようになれば、
仮に、あなたのやり方が否定されても、
必要以上の抵抗をしたり、
ましてや 否定されるくらいなら、会社を辞めたほうがまし、
などと 思い込まなくて済むようになります。

たまたま、 今までフタとしてきた、「苦手な上司」に対する接し方が、
普通の上司に対する接し方より、過敏・過剰・過激になってしまったために、
問題として表面化してしまっただけ。

もともと、報告・連絡・相談の頻度が少なかったあなたが、
仮に、報告・連絡・相談の頻度を上げたものの、
上手くいかなくて、悔しい思いをしたとしても、
周囲は「苦手な上司とつきあっていくのは、大変だね」と労ってくれ、
誰も、あなたを非難することはありません。

今までが、苦手な人から否定されたくない、ということにこだわって、
必要以上に避けたり、過敏に反応していただけなのです。

あなたは、本当は論理的に上手くやっていきたいのに、
実は、感情的な好き嫌いで生きている。

自分にとって臭いものにフタをし続けてきたものの、
たまたまフタが開けられてしまった。

だから、そこから逃げて良い、ということではなく、
フタが開いても、その場に居ても良い、ということです。

いきなり、 何を言っているかわからないかも知れませんが、
見方を変えれば、捉え方が変わる、ということです。

とは言え、捉え方を大きく変えることは、 なかなか難しいのは分かります。

でも、 苦手な人から言われたことに、絶対服従しなければならない、 と、
意気込めば意気込むほど、 行動できないで悩んでいることに比べれば、
どうせ否定されるのだから、それを受け入れる、
ましてや、自分から会社を辞める必要はない、と思うことには、
何とか取り組めそうな気がしませんか。

そして、どちらの方法もあなたが選択することができます。

道選択

まとめ

直属の上司との関係が悪いので、
会社を辞めなければならない! と、自分で自分を追い込んでいるあなた、

認知科学的には、今のあなたの頭の中が、
そういう風に考えることに極端に偏っているだけで、

これまで説明したように、ちゃんと解決する方法があります。

解決する方法としては、
1.正論(IQ的方法)と
2.本音(EQ的方法)の2つがあり、
どちらを選択することもできます。

とは言え、きっと、自分に厳しかったあなたは、
今まで、正論(IQ的方法)で対処してきたのだと思います。

でも、今のあなたは、
正論(IQ)を採ろうとしても、
実際には心理的なハードルが高すぎてできないので、
(だから悩んでいるので)
もうそろそろ、本音(EQ)でできることから始めてみませんか、
(もう少し楽に生きませんか)

ということで、
直属の上司との関係が悪いので会社を辞めなければならない、
という問題に対して、
本音(EQ)で出来る解決策をご紹介をさせていただきました。

 

解決策が判ったなら、
解決できるように、 一刻も早く行動に移しませんか。
行動に移すあなたを応援します!